2023.03.22

働き方改革による人材確保、業務効率化の取組み

■背景・目的

 警備業界における慢性的な人手不足に対する課題解決に向けて、組合主導で組合員企業の労働環境の改善を図る取り組みを実施。大阪府中小企業団体中央会からの情報提供やアドバイス等を受け、助成金を活用しながら人材確保と業務効率化を目的に当該事業を行った。

■取り組みの手法と内容

 人材確保の取り組みとして、女性や若者の就職希望者を増やすことを目的に「警備員が全力でダンスを踊ってみた」、「警備女子・警備業で働く女性たち」、「警備の現場で働く人たち」など、警備員自身が「働きがい」を率直に伝えるユニークな動画を制作し、Youtube、TikTokでの配信を実施した。

 また効率化の取り組みとして、交通誘導警備や雑踏警備に使用する屋外型フルカラーLED掲示板、エラーライトや警備現場の事前調査に使うドローン(無人航空機)を組合で一括購入し、組合員に貸し出しを行うことで組合員企業の業務効率化と労働時間の短縮、安心安全を実現。これにより女性や高齢者など多様な働き手を募集できる環境が整った。機材の購入費用は国の「働き方改革推進支援助成金」を活用するとともにドローンの活用を推進するため、操縦を学ぶための講習会への参加費用の助成も行った。これらの取り組みと並行して一般の方へ警備業界に対するアンケート調査を行い、その結果を当事業のほか今後計画作成するSDGsの取り組みにも活かしていく予定である。

 事業の体制としては受注広報委員会の委員長でもある理事が中心となり、各委員の若手メンバーで事業を推進している。懸案事項については、理事会に諮り決定する体制である。

 その他、当組合ではサイバーリスクに備えるため、サイバーセキュリティ保険への加入やサクセッションプランとして青年会を立ち上げて研修会を実施している。

■成果とその要因

 事業の成果として、動画経由のHPからの求人実績と警備資材の警備員企業の活用による警備業務の効率化があげられる。成果獲得要因として考えられることは、組合受注の事業を通じて既に組合員間の協力体制が構築されていた点や異業種の経歴を持つ理事が中心となり、業界の既存の概念にとらわれない斬新なアイデアで計画を立案したこと等である。

■Point

 当組合理事によるリーダーシップと組合員企業間の円滑なコミュニケーション下における事業推進体制が、事業・活動実現のキーファクターとなっている。